幹細胞を用いる再生医療等を提供する医療機関は、実施する再生医療技術ごとに再生医療等提供計画を作成し、
厚生労働省が認可した特定認定再生医療等委員会によって安全性、有効性等について審査を受けます。
サンフィールドクリニックは、承認された再生医療等計画を厚生労働省に提出し、
第二種再生医療等提供計画番号を取得した医療機関です。
~間葉系幹細胞の可能性~
私たちの身体の中には約60兆個の細胞が存在します。心臓、脳、皮膚など私たちの組織は細胞が集まってできており、日常で非常に重要な役割を果たしています。 役割によって約270種類の細胞に分けられます。それらの細胞の元となる細胞が『幹細胞』です。幹細胞はいろいろな細胞や組織に変化する細胞で、体内の決まった場所に存在します。組織が損傷した場合などにその組織を補うための細胞を生み出す細胞です。
この幹細胞は以前から骨髄に存在する事が知られていました。しかし骨髄から採取できる幹細胞には限りがあり、採取する際は全身麻酔が必要になるなど患者様に負担のかかる手術が必要でした。2000年にUCLA(カリフォルニア 大学ロサンゼルス校)のDr.Hedrickが腹部皮下脂肪に大量の幹細胞が含まれている事を発見しました。脂肪由来間葉 系幹細胞の基本的な特性については、様々な研究が積み重ねられています。採取が容易で、安全性が高く、その有効性が多岐にわたる脂肪由来間葉系幹細胞は、再生医療の鍵となる細胞として注目を集めています。
また、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律(平成25年法律第85号)」が平成26年11月25日に施行され、臨床研究(ヒト幹細胞を用いた臨床研究等)、自由診療のもとで良質な再生医療等の研究開発や実用化が安全に進められるよう医療機関や細胞加工物製造事業者が尊重するルールが定められ、再生医療等の迅速かつ安全な提供するための環境が整ってきています。
サンフィールドクリニックでは、厚生労働省より再生医療等提供計画番号を受け、「動脈硬化症の進展予防を目的とした自己脂肪由来間葉系幹細胞治療」(第二種・計画番号PB3160006)および「慢性疼痛緩和を目的とした自己脂肪由来間葉系幹細胞治療」(第二種・計画番号PB3170018)の治療を提供しています。
サンフィールドクリニックは、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に伴い厚生労働省より許可を得ている「特定細胞加工物製造事業者」に細胞培養を委託しています。
患者様より採取された脂肪組織は、委託先である特定細胞加工物製造施設に持ち込まれ、酵素処理後、脂肪から幹細胞を分離して培養・増殖を行います。細胞培養は、厳格な管理のもと実施されます。
また、高度な安全性を担保する為に、細胞の入庫時にウィルス検査等の細胞検査を行います。さらに検体の取り間違いを防止するために、全ての工程の履歴管理など厳しい品質管理体制を導入した運用管理体制のもと細胞培養されています。
無血清培地の表記で存在する製品の中には、血清由来物等を含有するものがあります。それらは血清使用と同様のリスクを内包しているため、安全性の面で臨床に適さない場合があります。サンフィールドクリニックで使用されている培養液は、二次原材料まで、血清由来物等を全く含まず構成されています。
また、脂肪組織の分散から細胞製剤のパッケージングにおいて用いる製造関連製品は、通常、ヒトおよび動物由来成分が使用されます。少なくともそれらの二次原材料まで、動物およびヒト由来物を用いない製造工程を達成しています。
現在、平均寿命は80歳といわれていますが、日常生活に支障なく健康に過ごせる「健康寿命」の平均は75歳であるとされています。加齢に伴って起こる障害をいかにして抑えるかは、健康なままに寿命を終えるためにはとても重要なことです。血管年齢という言葉があるように、血管の障害は加齢によってみられる一般的な障害の一つです。
加齢に伴って生じる障害として、体内のいたるところで慢性炎症が生じることが最近になってわかってきました。また、代表的な血管障害である動脈硬化症は、慢性炎症が引き金になっておこるということも知られています。つまり、加齢、慢性炎症、動脈硬化症というのは密接に関連したイベントであるといえます。
今回、治療に用いる間葉系幹細胞は、生体内の脂肪、骨髄、臍帯などからとることができる細胞です。間葉系幹細胞は、体が傷ついたときには、傷ついた場所に集まって傷口を埋めたり、腫れ(炎症)を抑えたりする細胞です。体から取り出した間葉系幹細胞を培養して増やし、再び体内に戻すことで、様々な炎症を抑えることができることがわかってきていて、世界中で研究、治験が進められています。
動脈硬化症も、慢性炎症が引き起こすことがわかってきていますので、間葉系幹細胞を投与することによって炎症を抑えてあげれば、動脈硬化症の改善、あるいは予防につながると考えられます。
提供する再生医療等 | 動脈硬化症の進展予防を目的とした自己脂肪由来間葉系幹細胞治療 |
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再生医療等の分類 | 第二種 |
再生医療等提供計画の計画番号 | PB3160006 |
対象治療者 |
その他、選定基準、除外基準がありますので、詳しくはクリニックへお問い合わせください。 |
治療期間 | 事前説明および同意後、脂肪採取から幹細胞投与まで:約8週間程度 ※幹細胞投与後、フォローアップ検診(投与後1・3・6・12か月) |
細胞投与時の所要時間 | 40分~60分 |
費用 | 初回診察料 5万円(消費税別途) 治療費 295万円(消費税別途) |
治療等のリスク・副作用 |
脂肪採取の際: 幹細胞投与の際: |
人は怪我や火傷、頭痛など様々な痛み(疼痛)を経験します。何らかの疾患を背景に持った疼痛も多くあり、長期にわたり一定の痛みが持続している状態を慢性疼痛と呼びます。日本人の4−5人に一人は、腰背部痛(いわゆる腰痛)など慢性疼痛を持っているとも言われています。しかしながら、現状の治療法では十分な疼痛緩和が行えているとは言えません。
今回の治療には、自己脂肪由来間葉系幹細胞という幹細胞を用います。間葉系幹細胞は骨髄、脂肪、臍帯といった様々な組織から分離・培養され、疾患の部位に集積する能力がある上、抗炎症作用や免疫抑制効果があることなどが次々と報告されています。疼痛緩和に効果があるといった研究報告も近年増え始めています。今回用いる細胞と同じ方法で培養した脂肪由来間葉系幹細胞でも、炎症抑制及び疼痛緩和の効果があることを私たちは明らかにしています。慢性疼痛に悩む患者さまに間葉系幹細胞を投与することで、疼痛緩和が可能になると考えられます。
提供する再生医療等 | 慢性疼痛緩和を目的とした自己脂肪由来間葉系幹細胞治療 |
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再生医療等の分類 | 第二種 |
再生医療等提供計画の計画番号 | PB3170018 |
対象治療者 |
その他、選定基準、除外基準がありますので、詳しくはクリニックへお問い合わせください。 |
治療期間 | 事前説明および同意後、脂肪採取から幹細胞投与まで:約8週間程度 ※幹細胞投与後、フォローアップ検診(投与後1・3・6・12か月) |
細胞投与時の所要時間 | 40分~60分 |
費用 | 初回診察料 5万円(消費税別途) 治療費 295万円(消費税別途) |
治療等のリスク・副作用 |
脂肪採取の際: 幹細胞投与の際: |